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【団体インタビュー 010】NPO法人多文化共生リソースセンター東海②

2018年05月25日 10:29 by tabunka_tokai
2018年05月25日 10:29 by tabunka_tokai

たぶんか便り第10号は当団体、NPO法人多文化共生リソースセンター東海5周年を迎えるにあたり、代表理事の土井が団体の歩みや思いを語ったインタビュー記事と、設立から支えてくださっている役員からのメッセージを2回に分けてお届けします。

〜役員メッセージ〜

副代表理事 後藤美樹

当団体も設立から5年目を迎えました。長いようで、あっと言う間の5年間でした。東海地方における「多文化共生」実現の一助となりたいとの思いから、行政やボランティア団体との恊働による、様々なプロジェクトを実施してまいりました。特に愛知県においては、外国人コミュニティに関する事業をいくつか委託させて頂くことが出来ました。

外国人コミュニティは、多文化共生に必要不可欠な存在でありながら、財政不足など慢性的な経営に関する課題を抱えています。そうした団体の現状を、「多文化共生コミュニティ支援業務」などの実施を通じて、微力ながら、現場の声をお伝えすることができたと思います。5年前と比べ、ここ東海地方でも様々な事業が開始され、またボランティア団体も増えてきました。今後は、具体的な課題の解決策を提示し、どのような専門性をもって事業を展開するかが、当団体の課題だと思います。

理事 関戸美恵子(一般社団法人SR連携プラットフォーム・代表理事) 

 

5年前、法人設立に少し関わった。土井さんからは「産みの親」等と煽てられる?こともあるが、実際の所は「産婆さん」の役回りだったのだと思う。産み出そうとし又産まれようとする「親子」がこの地域に確実に存在していたのだ。

在住外国人の割合の高さ、懸命に生きようとする外国人の方やそのコミュニティ、それを支えようとする様々な支援団体。「共生」に戸惑う地域のコミュニティも含めて、それらがさしずめ母胎とするならば、そうした現場を、情報も含む多様なリソースを繋ぎ合わせて、根底で支えようという志を潜在的に有していた若者たち。彼らこそが、産声を上げようと頑張る「新しい生命そのもの」であったのだ。その子がようやく5才になった。多文化、多様性が「豊かさ」となる社会への歩みは、その切実なニーズに比して遅々として見えるかもしれないが、焦ることはない。「リソースセンター」という名に込められた現場への尊敬を忘れず、飽くなき挑戦を!

理事 田村太郎(一般財団法人ダイバーシティ研究所・代表理事) 

 

困難に直面している外国人のために何かをしたい、という気持ちを持つ人は、直接相談を受けたり日本語を教えたりする現場で活動することが多い。しかし、そうした人々を支える活動や、しくみを整えたり必要な道具をつくったりする活動もまた重要です。「中間支援」と呼ばれるこうした活動は、直接「ありがとう」といってもらう機会も少なく、寄付やボランティアを募るにも苦労しますが、「多文化共生リソースセンター東海」は多くの方々の支援をいただきながら、設立から5年を迎えることができたのはほんとうにうれしいことです。

リーマンショックや東日本大震災を経て、日本社会は大きく変化しましたが、欧米では石油ショックを経て「多文化主義」への理解が深まりました。ちがいを認め合いながらともに生きる社会づくりは、日本でもこれからようやく本格化すると私は考えます。スタッフのみなさんとともに、理事として私も微力を尽くしたいと思います。

理事兼事務局長 河村槙子

これまで委託事業を中心に様々な経験を積んできました。次のステップとして、これまでにできたつながりをもとに、中間支援組織の強みを生かした活動を強化していきたいと思います。

具体的には、政策提言や研修会を重ねていきたいと思います。例えば、外国籍住民の高齢化や外国にルーツのある児童の発達障がいなど、現場での課題は多様化してきています。当団体でその状況をまとめ、より良い方向に向かうよう、しかるべきところに働きかけをしたり、現場団体さんのニーズを調査したうえで研修会を企画したりしていきたいです。 また、子ども支援や福祉、防災など多文化共生分野以外で活動する団体さんとの連携も強めていきたいです。やりたいことはたくさんありますが、方向性としては中間支援という立場に特化し、 多文化共生の「仕組みづくり」、「環境づくり」、「意識づくり」をしていきたいです。

*この記事は、2013年12月発行『たぶんか便り』第10号の記事を元にしています。本文内の情報はすべて、発行当時のものです。 

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